100円ショップCanDo陸前高田店

CanDo陸前高田店

100円ショップ

「100円だけど、いいよね!」
の品揃えをめざして

 
インタビュー先:100円ショップCanDoキャンドゥ陸前高田店 藤村好博さん


電話番号:0192-53-2139
営業時間:09:00-19:00
定休日 :なし(全館休館日のみ休み)

■「100円だけど、いいよね!」の品揃え

 「8000アイテム、10万点の商品を取り揃えているので、比べて選ぶことができます」、と胸を張る。雑貨に不具合があったら、交換にも応じているそうだ。100円均一と言うと、昔は安かろう悪かろうと思われるところもあったが、「100円だけど良いよね、という品揃えに努めている」、と言う。


■2000年にアバッセ前身のリプルで開店
 2000年高田松原の前にできたショッピングセンター・リプル内に、オープン当初から入居していたが、2011年の津波でリプルとともに店は流された。地震が起きた時は、気仙川右岸の気仙町におり、店に行こうとしたが、気仙大橋で止められ仕方なく自宅に向かったところで津波が来たという。自宅はギリギリのところで流失を免れたが、店はなくなり、CanDoの本部とも連絡が取れない状態で、震災直後は、店を再開しようという考えすら浮かばなかったそうだ。

藤村さんは、100円ショップCanDo陸前高田店とともにダスキン陸前高田、産直センターりぷる、えきソバ嘉儀屋を展開している“ふじむら商会”の代表取締役で、高田松原商業開発協同組合の副理事長でもある。


■訪問販売部門から再開し、竹駒地域に仮設店舗でオープン

 100円ショップと併せて営業していた”ダスキン”をまず震災の年の5月に再開した。訪問販売という事業形態のため店舗がなくてもやれたからだ。とはいえ、お得意先データが無くなったうえ、得意先があった場所が流されてしまった場合も多く、訪問員の記憶をたどってお客様を確認し、顧客データを作り直すことから始めなければならなかった。
 震災からちょうど8ヶ月後の11月11日には、ようやく100円ショップCanDoも再開できた。中小機構(中小企業基盤整備機構)による仮設店舗の陸前高田における第2号だった。ちなみに、第1号は、同時に申請した“食彩工房”(米崎町)だそうだ。
 当時は、多くの人々が仮設住宅での暮らしを始めたところで、必要なものが何もない状態だったから、100円ショップを重宝していただき多くの需要に恵まれた。仮設店舗には、産直センター”りぷる”と食堂の” えきソバ 嘉儀屋“が同居したが、こちらは今も仮設店舗での営業を続けている。

■震災後のまちの核としてのアバッセへ
 商店街が全滅した高田に新たなまちの核をつくりたいと、市役所、商業者、専門家が知恵を出し合った。その拠点となるのがアバッセだ。CanDoも、ここに入居することになった。
 中心市街地の共同店舗に入居する利点は大きい。人が集まり賑わいができることにより、お客さんが立ち寄ってくれる「ついで買い」が期待できるからだ。震災直後の再開時にはまだ及ばないものの、仮設店舗からアバッセへの移転後、売上げも伸びたという。
 ただ、アバッセに入居するにあたり課題もあった。それは資金繰りの問題だ。しかし、それもグループ補助金や津波立地補助金による支援などを得て乗り越えてきた。

■がんばって復興した陸前高田の姿を支援してくれた人々に見てほしい
 人口減少や復興の遅れなど不安はあるが、中心市街地の賑わいが出てくれば、人々が出会える場、コミュニケーションの場ができる。そんな場所を提供したい。
 そして、多くの支援に感謝する気持ちを込めて、がんばっている陸前高田、復興した姿を全国の人に発信したい。




インタビュアー  井上博夫(岩手大学名誉教授)66歳
インタビュー日:2017/12/9
 2016年3月に岩手大学を定年退職し、2017年4月から陸前高田の仮設住宅で暮らしている。岩手大学と立教大学で陸前高田グローバルキャンパスを設置したのが契機だ。工事の土ぼこりだらけだった陸前高田に、ようやく街が姿を見せ始めた。まだまだこれからだが、まちの再生を願って、この企画をはじめた。