ダイニング&バル さらり


さらり

ダイニング&バル

「陸前高田を深く味わう」




インタビュー先:さらり 菅原惠子さん


電話番号:019-55-6900
営業時間:11:00~13:30(LO)、19:00~24:00
定休日 :日曜日

■心温まるところ「さらり」
ここはアバッセたかたにあるダイニング&バルさらりだ。さらりは昼と夜に営業している。昼は観光客やビジネスマンに利用され、夜は地元の人たちの憩いの場となっている。お店に入ると優しい笑顔で出迎えてくれる。笑顔で癒された後は、席についてメニューに目を落とす。地元の旬な食材を使ったメニューが並ぶ。取材日が11月下旬だったこともあり、その日は地元のかきを使ったカキフライなどがメニューに並んでいた。従業員の方に「ママ」と呼ばれ、奥から店主の菅原惠子さんが出てきた。惠子さんは笑顔で微笑みながらあいさつをしてくれた。第一印象は優しいお母さんのようだった。


■震災当時

惠子さんは震災以前、駅前で2軒、市役所の近くで1軒の飲食店を経営していた。しかし、東日本大震災の津波により3軒すべて流出してしまった。震災当時のことを惠子さんが話してくれた。地震の発生当時はお客さんが帰ったばかりでお客さんはおらず、従業員の方と揺れから15分後位に避難した。しかし、夜に出勤するはずだった従業員の方2人が亡くなってしまった。建物も基礎部分しか残っておらず、惠子さんの思いが詰まったお店たちが流れてしまった。惠子さんは震災以前から陸前高田市米崎町に引越しを予定していた。その家は無事だったため震災後は米崎町の家に住むようになったそうだ。


■震災後の歩み
竹駒の仮設で営業していた頃の「さらり」
震災からしばらく経った2011810日からボランティアで訪れた人たちのために仮設の食堂の「う・ふ・ふ」を竹駒で開いた。電気や水などのライフラインの確保が一番苦労したそうだ。20121月から仮設でスナックも始めた。しばらくして、アバッセの中にある「あべや」さんの社長の紹介でアバッセの中にも店を構えることになった。アバッセに入居する上で苦労したことを尋ねたが、震災当時の苦労に比べたら何でもないと笑顔で力強く答えてくれた。普通の生活をしたいという思いでここまで歩んできたそうだ。アバッセに入居してからも店は順調で、地元のお客さんが以前のお店よりも増え、店がきれいになったことに喜びもあり充実しているように見えた。

■これからの歩み
人件費の高騰などもあり店舗の追加は考えていないようだ。震災以前の店舗に通っていた常連さんは、アバッセに店を構えてからも足繁く通ってくれているそうだ。これからも、もっともっと地元に愛されるお店にしていき、地元外のお客さんにも愛されるようなお店にしていきたいと熱い思いを話してくれた。惠子さんには、将来の陸前高田は派手でなくコンパクトな身の丈に合った住みやすい街になってほしいとの願いがある。また、人の力の素晴らしさを伝えてくれた。震災以降、お客さんの住まいがばらばらになってしまったそうだが、それでも店に来てくれているそうで、嬉しそうに人の力はたいしたものだとおっしゃっていた。人間のつながりの強さを強調するようなエピソードだった。
この日のランチ定食の一つ、ハンバーグ定食

ステーキ定食!

■訪れてみて

 優しいママさんと従業員のお姐さん方のいるさらりでは地元の旬の食材が楽しめるだけでなく、陸前高田の優しい人柄にも触れられるおすすめのスポットだ。陸前高田に出向いた際はぜひまた尋ねてみたい。

 
 

インタビュアー(T.I)
インタビュー実施日 2017/11/25
 こんにちは。岩手県立大学の学生です。陸前高田に訪れるのは初めてで、嵩上げ工事が広域で行われているのを見てイメージとのギャップに戸惑いもありました。しかし、地元の人の話を聞くにつれて、陸前高田の人たちの陸前高田への熱い思いと情熱で話を聞いているのが楽しくなっていきました。ぜひまた、陸前高田に訪れ、陸前高田のたちの話を聞いてみたいです!